サイトのバックアップ、本当に使えますか? 経営者・マネージャーが確認すべき5つのポイント

「バックアップは取っています」

サイト管理の話をすると、多くの方からこの言葉が返ってきます。

もう一つ質問させてください。

「そのバックアップ、担当者がいなくてもサイトを元に戻せますか?」

バックアップが「ある」とバックアップが「使える」は、まったく別の話です。

この記事では、5つの質問に答えるだけで、今の体制を見直すべきか判断できるようになります。

その前に、バックアップはあるけどいざという時に使えない状態だとどんな事態が起きてしまうのか確認しましょう。

バックアップが「使えない」状態で起きる3つの事態

サイトのトラブルは予告なく起きます。ある日突然、サイトが真っ白になる。ハッキングされてデータが書き換えられる。担当者の操作ミスで重要なデータが消える。そのとき、元に戻せますか?

多くの経営者・マネージャーから「バックアップは取っています」という言葉をよく聞きます。しかし実際に問題が起きたとき、こんな事態が起きています。

ケース1 サーバー障害:バックアップも一緒にアクセス不能になる

サーバーが動かなくなると、その中にあるデータにアクセスできなくなります。サーバー内にバックアップが入っていたら、バックアップも同時にアクセス不能になります。「壊れた金庫の中に、コピーも一緒に入っていた」状態です。

ケース2 ハッキング・不正アクセスを受けたとき

第三者がサーバーに不正に侵入した場合、サーバー内のすべてのファイルが影響を受ける可能性があります。感染した状態のバックアップを使って復元しても、また同じ問題が再現します。

ケース3 担当者が誤ってデータを削除してしまったとき

操作ミスでサイトのデータが消えてしまったとき、同じ場所にあるバックアップからは戻せないケースがあります。「同じ棚にしまってあったコピーも、一緒に捨ててしまっていた」という状況です。

いずれのケースも、実は、決して珍しい話ではありません。そしてこれらの多くは、「バックアップの仕組みの設計」を見直すだけで防げるものです。

では、自社のバックアップ体制は今どんな状態にあるのか。次の5つの質問で確認してみてください。

自社のバックアップ体制、今すぐ確認できる5つの質問

バックアップが本当に「使える状態」かどうか、以下の質問で確認できます。

担当者に聞かないと答えられない場合は、「NO」としてください。

Q1.バックアップがいつ最後に取れたか、今すぐ確認できますか?

「たぶん取れているはず」「担当者に聞けばわかる」という場合はNOです。バックアップは一度設定すれば終わりではありません。設定していても、気づかないまま失敗し続けているケースがあります。「最後に取れた日時」が即座に確認できる状態かどうかが、最初の分かれ目です。

Q2.そのバックアップは、サーバーとは別の場所に保存されていますか?

バックアップデータがどこに保管されているか、今すぐ確認できますか?元のデータと同じサーバーの中にバックアップが置かれている場合、そのサーバーに問題が起きたとき、バックアップも一緒に影響を受けます。「バックアップがある」と「使える状態のバックアップがある」は、保管場所によって分かれます。

Q3.担当者じゃなくても、サイトを元の状態に復元できますか?

復元とは、バックアップからサイトを元の状態に戻す作業のことです。スマートフォンを機種変更するとき「バックアップから復元しますか?」と聞かれますよね。あのイメージです。想像してみてください。担当者が突然来られなくなった朝、サイトが真っ白になっているとします。そのとき、担当者じゃなくてもサイトを元に戻すことはできますか?

Q4.サーバーごと問題が起きた場合でも、データは残りますか?

サーバー自体に障害が起きたとき(たとえば、電源トラブル、物理的な故障、ハッキングなど)バックアップデータは無事な状態でアクセスできますか?ハッキングとは、第三者が不正にサーバーへ侵入することです。侵入されると、サーバー内のデータだけでなく、バックアップファイルも影響を受ける場合があります。

Q5.バックアップが失敗したとき、誰かに通知が届きますか?

バックアップは、設定していても失敗することがあります。怖いのは、失敗していても「取れているはず」という認識のまま時間が過ぎていくことです。いざというときに「バックアップが1か月分空白になっていた」という事態を防ぐには、失敗を検知する仕組みが必要です。

【診断結果】

すべてYESだった方

→ 今の体制はよく機能しています。この記事は確認としてご活用ください。

1つでもNO・わからないがあった方

→ 今の体制を見直したほうがいい可能性が高いです。

多くの方が複数の「NO」または「わからない」を持っています。そしてそれは、担当者を信頼していないからではなく、「仕組み」がないことが原因のほとんどです。

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バックアップで最も重要なのは「どこに保管するか」


バックアップを語るとき、「何を取るか」と同じくらい大事なのが「どこに保管するか」

考えてみてください。

大切な書類のコピーを取ったとします。でも、そのコピーを原本と同じ引き出しにしまった場合、引き出しが壊れたときにどうなりますか?コピーの意味がなくなります。

バックアップも同じです。元のデータと同じ場所にバックアップがある場合、その「場所」に問題が起きたとき、元データもバックアップも同時に失われます。

これはサービスやサーバーの良し悪しの話ではなく、バックアップという仕組みの本質的な考え方です。

バックアップが「使えない」3つのパターン

パターン1 担当者しか操作できない

バックアップを復元する作業には、技術的な操作が伴うことがほとんどです。担当者が「いつもやっている作業」であっても、別の担当者には手順が分からない、ということが起きます。

ここに構造的な問題があります。復元が必要になるタイミングは、たいてい担当者がいない状況です。担当者が急に来られなくなった日にサイトが止まる、連絡が取れない休日にエラーが出る。そういうタイミングで「担当者しか操作できない」体制の限界が来ます。

パターン2 サーバーの外部に保管されていない

バックアップがサーバーと同じ場所にしかない場合、サーバー自体に問題が起きたときにデータを取り出せません。

外部に保管するとはどういうことか。たとえば、GoogleドライブやDropboxのようなインターネット上の別の保管場所(クラウドストレージと呼びます)にバックアップデータを置いておくことです。サーバーに何が起きても、クラウド上のデータは無事に残ります。

パターン3 一度も復元テストをしたことがない

「バックアップは取っているはず」という状態のまま、実際に復元できるかを確認したことがない。これが最も見落とされやすいパターンです。

非常食を棚に置いてあっても、いざというときに「賞味期限が切れていた」では役に立ちません。バックアップも同じです。「取れている」と「使える」は、一度テストして復元できて、初めてイコールになります。

その「大丈夫」の前提、確認できていますか?

制作会社の保守プランに入っているから安心?

保守プランは「トラブルが起きたときに対応してもらえる契約」で、バックアップデータがある状態を保証するものではありません。いざというとき制作会社が頼りにするのもバックアップデータです。そのデータがなければ、制作会社も元に戻せません。

担当者を信頼しているから大丈夫?

担当者への信頼と、仕組みの有無は別の問題です。どんなに優秀な担当者でも、いなくなれば同じことが起きます。信頼と仕組みは、どちらも必要です。

バックアップは毎日自動で取れているはず?

バックアップは容量の上限、設定の変更、仕様の更新などさまざまな理由で止まります。そして通知がなければ誰も気づきません。「毎日取れているはず」が正しいかどうかは、記録を確認して初めてわかります。

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ここまで読んで「自社の体制が不安になった」という方も、「改めて整理したい」という方も、次のステップとして使えるチェックリストを無料で配布しています。

このチェックリストは、経営者・マネージャーが担当者に渡してそのまま使えるように設計されています。以下の5カテゴリ・18項目で、現状の体制を網羅的に確認できます。

A.保管場所(3項目)

  • 外部保管の有無
  • 保管場所を経営者が把握しているか
  • 障害時の対応方針があるか

B.取得状況の可視性(5項目)

  • 最終取得日時を経営者自身が確認できるか
  • 保存世代数の把握
  • 取得頻度の把握
  • 失敗通知の設定
  • 容量上限の定期確認

C.復元できるか(4項目)

  • 手順が文書化されているか
  • 担当者以外が復元操作を完了できるか
  • 復元テストを実施したことがあるか
  • 復元にかかる時間の把握

D.バックアップの対象範囲
(3項目)

  • サイトのファイルが対象に含まれているか
  • データベースも対象か
  • 複数サイトをすべて網羅しているか
E.引き継ぎ・管理体制
(3項目)
  • ログイン情報を経営者も把握しているか
  • 担当者が変わっても継続して取得される仕組みか
  • 外部委託先の責任範囲を契約書で確認しているか

「要対応」「不明・未確認」が1つでもあれば、その箇所が今の体制の穴です。 担当者と一緒に確認し、仕組みを整えるきっかけとしてご活用ください。

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