現在、多くの企業・団体がレンタルサーバーを利用しています。
この記事では、レンタルサーバーの中でも「専用サーバー」について取り上げます。共用サーバーやクラウドサービスとの違い、専用サーバーの特長について見ていきましょう。自社サービスにはどのタイプのレンタルサーバーが向いているのか検討してみてください。
レンタルサーバーについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
レンタルサーバーとは?メリットやデメリットを詳しく解説
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1.専用サーバーってどんなもの?共用サーバーとの違いは?
レンタルサーバーは、大きく分けて「共用サーバー」と呼ばれるものと「専用サーバー」と呼ばれるものの2種類があります。
共用サーバーは多くのユーザーが1つのサーバーを共用・利用できるサービスで、利用できる機能や容量などに制限があり、管理者権限である root 権限はレンタルサーバー事業者側にあり、サーバー運用もレンタルサーバー事業者が行います。
それに対し、専用サーバーは1つのサーバーを1企業・1サービスなどで占有・利用できるサービスです。そのため、利用できるストレージやメモリの容量も大きく、root 権限も利用者側になるため自由度が高いです。
さらに、専用サーバーの中には「マネージド専用サーバー」と呼ばれるものが存在します。
マネージド専用サーバーは「共用サーバー」同様に root 権限はレンタルサーバー事業者側にあり、サーバー運用もレンタルサーバー事業者が行うため、サーバー運用・管理の知識がなくても専用サーバーを利用することができます。
2.専用サーバーのメリット・デメリットとは?
専用サーバーのメリットは1つのサーバーを1企業・1サービスなどで占有するため、他の利用者の影響を受けないことです。
一方、共用サーバーは、複数のユーザーとサーバーを共有するため、他のユーザーの Web サイトにアクセスが集中してパフォーマンスが落ちるといった影響を受ける場合があります。より安定したサイト運用を望むなら共用サーバーより、専用サーバーの方が優れています。
また、root 権限のある専用サーバーは、OS やミドルウェアなども自由に選択することができます。
会社によって独自のセキュリティポリシーを採用している場合、共用サーバーだと準拠できないため利用できないケースもありますが、専用サーバーであれば、独自のポリシーに沿ってカスタマイズでき、不要なサービスを停止することも可能です。
しかし、そのような自由度は、別の側面から見れば root 権限のある専用サーバーのデメリットにもなっています。自由度が高い分、利用者にも高い知識とスキルが必要になってきます。
3.専用サーバーの導入にかかる費用相場とは?
共用サーバーの月額利用料金が数千円、場合によっては数百円であるのに対し、専用サーバーの月額利用料金は数万円台である上に、初期費用として数万円から十数万円を必要とする場合もあります。使用するサーバーの CPU の種類やストレージとして HDD か SSD のどちらを用いるかなど、サーバーの性能によって利用料金は大きく異なります。
また、WAF (Webアプリケーションファイアウォール) や不正侵入検知 (IDS/ADS) 、専用ファイアウォールなどはオプションになっており、それらを利用するためには別途追加料金が発生します。
4.専用サーバーとクラウドサービスの違いはある?
専用サーバーと似たものにクラウドサービスがありますが、両者には大きな違いがあります。
クラウドサービスは、専用サーバーと異なり物理的にサーバー1台を占有しているのではなく、仮想的にリソースを利用者に割り当てているため、サーバーのハードウェアは他の利用者と共有していることになります。その利点として、短時間で必要に応じて、メモリやストレージなどのリソースの追加やネットワーク構成の変更が行えます。
クラウドサービスは柔軟にサービス拡大・縮小の調整が可能であることから、キャンペーンサイトなど短期間の利用や、ソーシャルゲームのような一時的に高い負荷のかかることが予想されるサービスに向いています。
サーバーのリソースを柔軟に変更できるため、利用料は従量課金になっている場合が多く、毎月の利用料が変動します。
5.ここに注意!専用サーバーの選び方
共用サーバーから専用サーバーに移行する際に気をつけなければならない点は、サーバー運用を利用者側で行えるか、否かです。共用サーバー同様にレンタルサーバー事業者側でサーバー運用をお願いしたい場合は、マネージド専用サーバーを選ぶ必要があります。
root 権限のある専用サーバーを利用する際は、サーバーの構築や監視、セキュリティアップデートなど、サーバー運用面も計画しておきましょう。
また、専用サーバーは後からサーバーの性能やネットワーク機器などの変更が困難であるため、利用前に専用サーバーを使って何をしたいかをはっきりさせた上で、適切な事業者とプランを選ぶようにしましょう。