レンタルサーバーを現在とは違うレンタルサーバー管理会社に乗り換えるには、メールや Web サーバー、Web サイトの移行など、さまざまな作業が発生します。万が一のミスは業務に甚大な被害を及ぼしかねないため、移行手順と内容をしっかりと理解しておかなくてはなりません。
今回は、サーバー移転作業をステップごとに解説していきます。サーバー移転をスムーズに行う上で必須の知識ですので、ぜひ参考にしてみてください。
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1.サーバーの移転方法
サーバー移転とは、現在利用しているレンタルサーバー管理会社を他会社のレンタルサーバーに乗り換える(移行する)ことです。サーバー移転をスムーズに進めるためにも、しっかりステップを把握して移転計画を立てることをおすすめします。
サーバー移転のステップは、大きく分けて5つあります。
- 事前確認
- 移転先サーバーのお申込み
- サーバーの環境構築
- DNS の切り替え
- 旧サーバーの解約
これらのステップを順序よく的確に行うことで、トラブルなくサーバーを移転できます。順番に見ていきましょう。
◆事前確認
移転先サーバーの管理会社とサーバーレンタル契約を結ぶ際、必ず「新旧サーバーの並行稼働期間」の検討が必要になります。移行作業中にメールや Web サイトを止めないために必要な期間ですので、契約時に確認しておきましょう。
◆移転先サーバーのお申込み
事前確認で問題なければ、移転先サーバーの契約を進めます。
◆サーバーの環境構築
契約後にサーバーの環境構築を行いますが、これは移行するデータやサービスをスムーズに稼働させるためにとても重要なステップです。
このステップをトラブルなく進めるためにも、現在使っているメールサーバーや Web サーバーの環境をしっかりと把握した上で、移転先サーバーの環境でも問題なく使えるようセットアップしましょう。
セットアップは基本的に、「移転先サーバーに現行サーバーの設定を複製」するイメージです。
なお、環境構築の項目は主に以下の4つですが、利用しているサービスによって異なりますので、ご自身の環境に合わせて設定しましょう。
- FTP アカウント作成
- メールアカウント作成
- ファイルアップロード
- データベースの作成とインポート
※Web サイトデータの移行について
環境構築の4つの項目のうち、ファイルアップロードとデータベースのインポートはもっとも重要なため、移行の際のポイントをご紹介します。
ポイントは、以下の4つです。
- 移行元のバックアップを取っておくこと
- 必要ファイル、不要ファイルをきちんと選別すること
- ツールがある場合それを利用すること
- 移行先サーバーのバックアップ設定を行うこと
ファイル移行時は、データ消失などの事故に備えなければならないため、バックアップ取得はとても重要です。
また、キャッシュファイルなどは、基本的に新しいレンタルサーバーでは不要となる場合が多くなります。きちんと選別することで移行ファイルの数を減らすことが出来ますので、こちらも移行する際に行いましょう。
そして移行に使えるツールは、積極的に利用することをおすすめします。
例えば MySQL であれば、mysqldump などのコマンドを利用することでミスなく簡単に移行できます。ファイル移行が不安であれば、レンタルサーバー管理会社が提供しているファイル移行サービスを利用するのも一つの手です。
◆DNS の切り替え
DNS(ドメインネームシステム)とは、サーバーの IP アドレス(192.168.1.1のような数字)とドメインを結びつけて振り分けるシステムです。このシステムは、ドメイン登録業者あるいはレンタルサーバー管理会社の DNS サーバー上で動いています。
DNS サーバーは、サーバー移転前の場合は「移転元」サーバーに振り分ける設定がされているため、DNS を切り替えて「移転先」サーバーに振り分けられるようにしなければなりません。
ただし、DNS の切り替え作業は2~5日程度かかりますので、上記で説明したように現行サーバーと移転先サーバーの並行稼働期間を設けるようにしましょう。
IP アドレスとドメインについては、こちらの記事でも解説しています。
IP アドレスとドメインの関係は?誰もが利用している IP アドレスについて解説
◆旧サーバーの解約
旧サーバーの解約は、移転先サーバーですべての機能、サービスの正常稼働を確認後に行います。例えば DNS 切り替え作業終了前は、旧サーバーにメールや Web サイトへのアクセスがあるため旧サーバーは停止できません。
DNSの切り替え後、旧サーバーに残ったメールをすべて受信し、Web サイトの切り替え確認が完了して初めて解約の手続きを取ることになります。
2.サーバー移転サービスの紹介
サーバーを移転する際は、上記で説明したように複雑な作業が伴います。
移転作業に少しでも不安がある方は、レンタルサーバー管理会社のサーバー移転サポートを利用してみてはいかがでしょうか。
CPI では、サーバー移転サポートサービスを提供しており、Web コンテンツの移行やメールアカウントなどの設定を無料でサポートします。
また、稼働している Web サイトやメールデータ、設定が複雑な CMS、Windows Server の移行作業もすべて対応可能(有料)です。
現在のサーバーやシステムの状況がよく分からない方、短期間でサーバー移転を完了させたい方には特におすすめのサービスです。
3.サーバー移転の際の注意点
「1.サーバーの移転方法」で触れた以外にも、いくつか注意しておくべき点があります。 まず、新サーバーへの移転後は必ず Web サイトの表示・動作確認を行いましょう。
自分の使っている PC はもちろん、ブラウザや端末を変更してチェックをするのがおすすめです。確認作業は一人ではなく複数人で行うと漏れが少なくなります。 移転に合わせて Web サイトのSSL化を行う場合は、事前に証明書の取得が必須となります。忘れずに対応してきましょう。 移転作業が完了したら、混乱を避けるために社内やサイト利用者へのアナウンスを欠かさず行ってください。
SSL については、こちらの記事で詳細を解説しています。
今さら聞けない SSL 証明書とは、DV、OV、EV や常時 SSL について
4.レンタルサーバー移転に関する Q&A
Q.移行先としておすすめのサーバーを教えてください。
A.どのサーバーがおすすめかを一概に決めることはできません。サイトで実現したい機能やこれまで使っていたサーバーに対して抱いていた要望によって変わります。以下のポイントを重視して新しいサーバーを選ぶのがおすすめです。
- 利用したい機能が備わっているか
- 過去に使っていたサーバー以上のパフォーマンスを実現できるか
- サポートは充実しているか ・費用面の問題は改善するか
Q.現在使っているドメインをそのまま別のレンタルサーバーに引っ越しできますか?
A.移転も可能ですが、レンタルサーバーによって異なります。移転するための方法も異なるため、利用したいサーバーの説明をよく確認しましょう。
Q.サーバー移転を代行業者に依頼する場合、費用の相場はどれくらいですか?
A.50,000〜100,000円ほどが相場とされています。しかし、データ容量やサイトのカスタマイズによっては費用が大きく変わることも。依頼する際は業者に見積もりをもらうのがおすすめです。
まとめ
スムーズにサーバー移転するには、慎重に作業を進めなければなりません。
サーバー移転に必要な作業ステップはもちろん、現行サーバーのシステム状況やアプリケーションの設定などを把握し、移転先サーバーへ確実に反映させることが必要です。
サーバー移転作業が不安な方や短期間で移転完了したい方は、サーバー移転サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
また、CPI のレンタルサーバーへの具体的な移行方法は、下記ページでご案内しております。
各ステップの詳細や目安のスケジュールなども説明しておりますので、移行を検討される方は、こちらをご覧ください。
https://www.cpi.ad.jp/transfer/step/all_cpi/