家を建てるときに土地が必要なように、Web サービスを立ち上げるためには、基盤としての「サーバー」が必要不可欠です。サーバーは、個人で購入し利用することも可能ですが、高額で構築の準備や日々の運用には、技術的な知識や時間が必要です。そんなときに便利なのが「レンタルサーバー」。
この記事では、初めてレンタルサーバーを利用する人にも分かりやすく、レンタルサーバーの仕組みやメリット・デメリットについて解説します。
目次
- レンタルサーバーとは?仕組みについて解説
- レンタルサーバーでできることは?
- 3つのレンタルサーバーのメリットとデメリットについて
- 初心者がレンタルサーバーを選ぶポイント
- レンタルサーバーのメリットデメリットを知って最適なものを選ぼう
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レンタルサーバーとは?仕組みについて解説
レンタルサーバーとは、言葉の通り「サーバーを貸し出すサービスのこと」です。サーバーを一から立ち上げることもできますが、構築には専門知識が必要なのと、メンテナンスやサーバー設置費用などのコストがかかってくるため、気軽に利用しづらい分野です。しかし「レンタルサーバー」を活用することで、手軽且つ安心・安全にサーバーの利用ができます。
レンタルサーバーの詳細に触れる前に、まずは「サーバー」についてみていきましょう。サーバーとはネットワーク上で情報や処理結果を提供するコンピューターやソフトウェアを意味します。少し難しいですね。
ここではサーバーのことを簡単に「Web サイトやメールに必要なデータを保管する場所」と考えてください。サーバーの仕組みは以下の通りです。
1.データのアップロード
Web サイト作成者がデータをレンタルサーバーに保存する
↓
2.リクエスト
サイトの閲覧者が Web サイトの情報が欲しいとリクエストする
↓
3.レスポンス
サーバーがユーザーのリクエストに回答し、Web サイトの情報を送り返す
このように、サーバーがサイト作成者とサイト閲覧者の間に立って、Web サイトやメールに必要なデータを保管し、素早くやり取りをしてくれるので、サイト作成者は簡単にサイトを運営することができます。
レンタルサーバーでできることは?
レンタルサーバーを利用することでどのようなことができるのでしょうか。
ここでは、次の3つを紹介します。
- Web サイトやブログを公開できる
- アフィリエイトサイトや EC サイトを公開できる
- 独自のメールアドレスを利用できる
Web サイトやブログを公開できる
Web サイトやブログを開設し公開するためには、サーバーが必要です。自分でサーバーを構築することもできますが、コストも手間もかかるため一般の人が行うのは難しいです。
一方、レンタルサーバーはサーバー構築や管理を運営会社が行ってくれるので、初心者でも手軽にWeb サイトやブログを開設することができます。
アフィリエイトサイトや EC サイトを公開できる
レンタルサーバーを使うと、アフィリエイトサイトや EC サイトを公開し運営することができます。
アフィリエイトサイトや EC サイトは無料のブログでも作ることができますが、無料のブログはサービスが突然終了する可能性があり、本格的にサイトを運営したい人にはおすすめできません。
レンタルサーバーであれば、無料ブログのようにサイトが突然なくなることはありません。仮に契約しているレンタルサーバーのサービスが終了したとしても、別のレンタルサーバーと契約することで、サイトを継続して運営できます。
独自のメールアドレスを利用できる
レンタルサーバーを契約すると Web サイトだけではなく、メールも利用できます。独自ドメインも使えるので、ビジネス用に自分だけのメールアドレスを手に入れることができます。
無料のメールサービスで充分だと考える方もいるかもしれませんが、ビジネスで利用する場合は、会社の信頼性や迷惑メール対策などの観点からも独自のメールアドレスでの運用がおすすめです。
3つのレンタルサーバーのメリットとデメリットについて
レンタルサーバーには、大きく3つの種類があります。
- 1台のレンタルサーバーを複数のユーザーでシェアして使う「共用サーバー」
- 1台のレンタルサーバーを独占的に利用ができる「専用サーバー」
- 1台のレンタルサーバーを仮想的に構築し、複数人で共有して使う「VPS(仮想専用サーバー)」
それぞれのサーバーの特徴やメリットとデメリットについてみていきましょう。
共用サーバーのメリットとデメリット
共用サーバーとは、1台のサーバーを複数人でシェアするレンタルサーバーです。運営費を複数のユーザーで負担するのでランニングコストが安く、レンタルサーバーの運営会社が設定や運用を行うので管理も楽です。サーバーについての専門の知識を要しないため、初心者でも利用しやすいサーバーといえます。
▼共用サーバーのメリット
- ランニングコストが安い
- 利用開始までに時間がかからない(比較的すぐに利用が可能)
- 定期的なメンテナンスが必要ない(運営会社が行う)
- サーバーについての専門知識のない初心者でも使える
▼共用サーバーのデメリット
- 共有しているほかのユーザーと同じ設定しかできず自由度は低い
- 他者起因の負荷の影響を受けやすい
- 運営会社が提供するサービスしか追加できないので、セキュリティをあまり拡張できない
▼利用用途
- 個人のブログや Web サイト
- アフィリエイトサイト、EC サイト
専用サーバーのメリットとデメリット
専用サーバーとは、サーバーを1台丸ごと独占で利用できるレンタルサーバーのことです。大量のアクセスや重たいシステムをさばくことができるため、大規模サイトや独自アプリの開発でも安定して運用ができます。
他者の影響を受けにくく、安定した運用ができることから、ビジネス用のサーバーには専用サーバーが多く採用されています。しかし、運用には専門知識が必須なので、初心者には難易度の高いサーバーです。
また、専用サーバーには root 権限(管理者権限)がついたプランもあり、管理者アカウントに付与されるほぼすべての操作が可能になるため、顧客管理に使う場合でも最適です。レンタルサーバー会社によっては、root 権限の有無が選べるため、すべての権限が付くのは不安という方や手軽に運用していきたい方など、状況に合わせて最適なプランを選択することができるので安心です。
▼専用サーバーのメリット
- 1台のサーバーを独占して利用できるので共有サーバーより自由度が高い
- 大量アクセスに強い
- 運営会社のプランと自分の設定でセキュリティ対策ができる
▼専用サーバーのデメリット
- 設定や運用を自分でする必要があり、時間と専門的な知識が必要になる
- サーバーを構築する必要があるため、利用開始まで時間がかかる
- 共用サーバーや VPS に比べて、ランニングコストが高い
▼利用用途
- 大規模サイト( Web サイト、EC サイトなど)
- 顧客管理、社員管理
- 独自アプリ開発など
専用サーバーとは?メリットや費用相場、クラウドサービスとの違いも紹介。
VPS(仮想専用サーバー)のメリットとデメリット
VPS( Virtual Private Server )とは、「仮想専用サーバー」のことで、1台のサーバー上に複数の仮想サーバー領域を作成し、複数人でシェアするレンタルサーバーです。
複数人で共有しますが、共用サーバーとは違い完全に区切って利用するため、外部の影響を受けにくく、コストも安く運用が可能です。しかし、専用サーバー同様、設定やメンテナンスなどの運用には専門知識を要するため、難易度は高いです。
▼VPS のメリット
- 自分だけの専用領域が設けられているため自由度が高い
- 専用サーバーより価格が安い
- 運営会社のプランと自分の設定でセキュリティ対策ができる
- root 権限(管理者権限)が付与される
▼VPS のデメリット
- 設定や運用を自分でする必要があり、時間と専門的な知識が必要
- 他者からの影響を受ける可能性がある
- 限定的な自由度のため、専用サーバーのようになんでもできるわけではない
- 仮想だが物理サーバーを利用しているため、サーバーの故障時には、VPS もダウンする
▼利用用途
- Web サイト、EC サイト
- プログラム開発
- ゲームサーバーとして
レンタルサーバーの仮想化については、こちらの記事で解説しています。
サーバーの仮想化とは?仮想化を支える技術とメリット、デメリットについて解説します
初心者がレンタルサーバーを選ぶポイント
レンタルサーバーには「共用サーバー」「専用サーバー」「 VPS 」があることが分かりましたが、初心者は結局どれを選ぶべきなのか悩んでしまいますよね。自分がどのようなサイトを作りたいのかしっかり考えた上で、希望のサイトを作るための機能が備わったレンタルサーバーを選ぶことをおすすめします。
レンタルサーバーを選ぶときのポイントとしては、
- Web サイトの規模に合ったサーバーか
- セキュリティがしっかりしているか
- 通信スピードが速いか
- 運用していける価格か
- サーバーの稼働率
- コントロールパネルの使いやすさ
に着目してみるといいでしょう。
こちらの記事では、無料レンタルサーバーと有料レンタルサーバーのメリット・デメリットを解説しています。「運用していける価格か」という観点でレンタルサーバーを選ぶ際の参考になるでしょう。単にお金のかからないレンタルサーバーを選ぶのではなく、使える機能と価格を比較して選ぶのがおすすめです。
無料レンタルサーバーを使う時の注意点!有料レンタルサーバーと比較したメリット・デメリットを解説
レンタルサーバーのメリットデメリットを知って最適なものを選ぼう
今回の記事では、3種類のレンタルサーバーについて、それぞれのメリット・デメリットをご紹介しました。
初心者でも始めやすく最もコストパフォーマンスが良い「共用サーバー」や、ビジネス用のサーバーとして人気の高い「専用サーバー」、共用サーバーと専用サーバーの良いとこ取りをした「 VPS 」。
それぞれの特徴を、改めて一覧表にまとめました。
料金 | 保守 | 自由度 | root 権限 | 外部からの影響 | 運用レベル | |
共用サーバー | 最も安い | 提供元 | × | × | 受ける | 初心者向け |
専用サーバー | 高い | 利用者 | ◎ | 選択可 | ほとんど受けない | 上級者向け |
VPS | 安い | 利用者 | ◯ | ◯ | 受けにくい | 上級者向け |
サーバーについての専門知識があり、大規模サイトや独自のシステムを開発する場合は、専用サーバーや VPS がおすすめですが、サーバーの設定やメンテンナンスの知識がない初心者の方は、レンタルサーバーの運営会社が設定や運営を行ってくれる共用サーバーがおすすめです。
「法人利用したいけど、専門知識がないため専用サーバーや VPS はハードルが高いな」と思った方には、CPI の共用サーバー SV-Basic がおすすめです。
SV-Basic は、集中アクセスにも強い設計となっているので、個人利用だけでなく、法人の方でも安心して利用いただける共用サーバーです。もちろん、設定やメンテナンスは提供側で行うため、専門知識がない方でもご利用いただけます。
共用サーバーのレンタル会社を選ぶ際には、
- 利用目的に合った容量や機能が備わっているか
- 初心者でも問題なくサイト作りができるサポート体制が充実しているか
を重視して選んでみてくださいね。
上記について、外からの情報のみではよく分からない場合は、無料のお試し体験を活用して、使いやすさや問題が起きないかを確認してみましょう。