Web サイトのドメイン名には英数字を使ったものが多いですが、ドメインは日本語でも取得できます。
運用したい Web サイトのテーマや取得したいドメイン名によっては日本語ドメインの方がメリットが大きいこともあるのです。
そこでこの記事では、日本語ドメインのメリット・デメリットを中心に、 SEO の効果についても解説します。ドメイン名を決める際にぜひ参考にしてください。
ドメインの基礎知識については、こちらの記事で解説しています。本記事とあわせてご覧ください。
▶︎ドメインとは何か?種類や取得方法を IT 初心者向けに解説
目次
- 日本語ドメインとは
- 日本語ドメインは「ピュニコード( Punycode )」に変換される
- 日本語ドメインのメリット
- 日本語ドメインのデメリット
- 日本語ドメインは SEO に効果があるのか?
- メリット・デメリットを比較して日本語ドメインを取得しよう
「Webサイトからお問い合わせが来ない…」とお悩みの方必見!
当サイトのノウハウを詰め込んだ『Web集客の無料ガイド』をご提供
日本語ドメインとは
英数字のドメイン |
https://example.jp |
日本語ドメイン |
https://ドメイン名例.jp |
日本語ドメインは、 URL の一部に日本語を含むドメインのことです。 以前はドメインに使える文字は英数字とハイフン ( - ) だけでしたが、インターネットが世界に広まったことで、様々な国の言語をドメイン名にできる「 IDN ( Internationalized Domain Name:国際化ドメイン名)」という技術が誕生し、これにより日本語もドメインとして使えるようになりました。
しかし、例えば運営元が日本の会社である Web サイトでもドメインには英数字が使われていることが多く「ドメイン名は英数字を使う」というイメージがまだ強いようです。
日本語ドメインは「ピュニコード( Punycode )」に変換される
日本語ドメイン |
ドメイン名例.jp |
ピュニコード |
xn--eckwd4c7cu47r2wf.jp |
日本語ドメインについて知る際に、あわせて知っておきたいのが「ピュニコード( Punycode )」。ピュニコードとは日本語ドメインを英数字とハイフンに変換したものです。 ドメインを IP アドレスに変換する「 DNS ( Domain Name System )」は日本語に対応していません。そのため、日本語ドメインのサイトを検索すると一度ピュニコードに変換され、 DNS が IP アドレスを探し出せるようになり、目当てのサイトを表示できるようになります。
IP アドレスとドメインとの関係性については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎IP アドレスとドメインの関係は?誰もが利用している IP アドレスについて解説
ブラウザで日本語ドメインを扱う際、ピュニコードを意識することはほとんどないでしょう。しかし、ブラウザ以外で扱う場合は日本語ドメインはピュニコードに変換されることを知っておいてください。後ほど説明する「日本語ドメインを使うデメリット」に関係します。
日本語ドメインのメリット
実際に Web サイトを立ち上げる際、日本語ドメインを使うとどのようなメリットがあるのでしょうか。
代表的なものを3つ紹介します。
- 覚えやすく認識してもらいやすい
- ユーザーの流入につながりやすい
- ローマ字(英数字)ドメインより比較的取得しやすい
覚えやすく認識してもらいやすい
日本語ドメインを使う最大のメリットは覚えやすさでしょう。普段から日本語を使っている私たち日本人は、英数字よりもひらがな、カタカナ、漢字の方が視認しやすいのではないでしょうか。
ドメイン名とサイトのテーマを合わせれば、どんなサイトかイメージしてもらいやすくなるでしょう。
ドメインを取得するとき、英数字だけではサイトのテーマが伝わりにくいと感じたならば、日本語ドメインも検討してみてください。
ドメイン名を決めるポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎ドメイン名の決め方を解説!失敗しないためのポイント3つ
ユーザーの流入につながりやすい
ドメインの分かりやすさ、認識のしやすさはユーザーの流入につながります。
どのようなサイトか予想しやすいドメインだとユーザーの安心感につながるでしょう。一方、分かりにくいドメイン(数字が並んでいるだけ、無意味な文字の羅列など)のサイトには不信感を覚えてしまう人が多いと思われます。
よくある理由としては、フィッシングサイトなどの悪意のあるサイトで、無意味な文字羅列のドメインが利用されていることが多かったことが挙げられます。
日本語ドメインであれば、そのようなリスクを減らし、流入につながりやすい傾向があります。
ローマ字(英数字)ドメインより比較的取得しやすい
日本のサイトでもドメイン名にはローマ字(英数字)が使われていることが多いと説明しました。つまりローマ字(英数字)のドメインは人気が高く、すでに登録済みであることも多いのです。同じドメインを別のサイトで使うことはできず、取得したいドメインが既に使われていたら、別のドメイン名に変更する必要があります。
そのような場合に役立つのが日本語ドメインです。ローマ字(英数字)では取得できないドメインを日本語(ひらがな、カタカナ、漢字)に変えてみると取得できる場合があります。
具体的には「 example.jp 」でドメインが取れなくても「ドメイン名例.jp 」にすれば取得できることがあるというイメージです。
日本語ドメインのデメリット
日本語ドメインを使って Web サイトを立ち上げることにはデメリットもあります。
「 SEO で不利になる」「サイトが評価されにくい」という深刻な問題にはつながらないという意見が一般的なものの、サイトの方向性・使い方によってはデメリットの方が強く働くことも。
ここではデメリットになりうるポイントを4つ紹介します。
- ブラウザ以外ではピュニコードに変換されてしまう
- 海外ユーザーをターゲットにしたサイトには不向き
- 使用できないサーバーがある
- ドメイン名と同じメールアドレスが作れない
ブラウザ以外ではピュニコードに変換されてしまう
パソコンのブラウザでは、日本語ドメインはそのまま日本語で表示されます。しかし、例えば、日本語ドメインの Web サイトを SNS などでシェアする際や、メール本文の URL だと、ドメインはピュニコードに変換されてしまうのです。
つまり、ドメインだけでどんなサイトか判断できるという日本語ドメインのメリットが失われてしまいます。
例えば「レンタルサーバー〇〇 .jp 」というドメインのサイトがあったとします。この状態ならドメインを見ただけで「レンタルサーバーの知識やおすすめを紹介しているサイト」だと予想できるしょう。
しかし、このドメインがピュニコードに変換されると、どんなサイトか予想するのは難しいはずです。
ブラウザ以外でもドメインを表示させるつもりならば、日本語ドメインはあまりおすすめできません。
海外ユーザーをターゲットにしたサイトには不向き
日本人が日本語ドメインを見てどんなサイトか認識しやすいのは、普段から日本語を使い、慣れているためです。
もし日本語を扱えない海外の人が日本語ドメインを見たら、何のサイトか予想するのは難しいでしょう。
つまり、日本語ドメインは海外ユーザーをターゲットにしたサイトには不向きということです。
日本国内だけでなく海外のユーザーに向けても情報発信したいなら、英数字のドメインの方がメリットが多いといえます。
使用できないサーバーがある
サーバーによっては日本語ドメインが使用できないこともあります。その場合はローマ字(英数字)のドメインを使いましょう。
日本語ドメインを決める際には、サーバーの規約にも目を通しておくことをおすすめします。
CPI のレンタルサーバーは、共用サーバーと専用サーバー両方で日本語ドメイン(ピュニコード)をご利用いただけます。
▶︎日本語ドメインの利用はできますか。 | よくあるご質問(FAQ) | CPIサポート
ドメイン名と同じメールアドレスが作れない
ドメインを取得すると、同じドメインのメールアドレスを作ることが可能です。メールアドレスの「 @ (アットマーク)」以降が Web サイト のドメイン名と同じになるため、連絡を取る相手に安心感を抱いてもらいやすいといったメリットがあります。
しかし、ドメインに日本語(ひらがな、カタカナ、漢字)が含まれる場合、メールアドレスとして使うことはできません。その場合、@以降がピュニコード変換されます。
英数字のドメイン |
mailadress@example.jp |
日本語ドメイン |
mailadress@xn--eckwd4c7cu47r2wf.jp |
これだと送信元を判別できないだけではなく、スパムメールだと勘違いされる可能性もあります。 ドメインとメールアドレスに一貫性を持たせたい場合や会社として信頼性を高めたい場合は、日本語ドメインを使わない方が良いでしょう。
ドメインとメールアドレスの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎ドメインとメールアドレスの違いとは?独自ドメインでメールアドレスを作るメリットも解説
日本語ドメインは SEO に効果があるのか?
日本語ドメインを検討する上で気になるのは「 SEO にどれくらいの効果があるか」ではないでしょうか。
結論として、日本語ドメインが SEO でプラスに働くという根拠はありません。Google などの検索エンジンも公式には発表していないようです。
「ユーザーにとって分かりやすいドメインにすること」でWeb サイトはクリックされやすくなり、コンテンツの検索順位も上がりやすくなると言われています。
しかし、これは日本語ドメインに限った話ではありません。英数字だけのドメインでも分かりやすければ同様の効果が得られるでしょう
一方「上位表示を狙いたいキーワードをドメインに含めると効果的」という説もあるようです。例えば「野球」のキーワードで上位表示を狙いたければ「 〇〇野球.com 」「 〇〇野球. jp 」などのドメイン名にするというもの。しかし、 SEO における優位性があるかというと、現在のところ確たる根拠は見あたりません。
もし SEO でも効果を得たいのであれば、ドメイン名ではなくコンテンツの質や、継続的なサイト運用をする方が重要だと考えられます。
検索エンジンからの評価(ドメインパワー)が決まる仕組みについては、こちらの記事をお読みください。
▶︎ドメインパワーとは? SEO との関係性や測定方法、上げるためのコツを解説
メリット・デメリットを比較して日本語ドメインを取得しよう
本記事で紹介した通り、日本語ドメインにはメリット・デメリット両方があります。運用する Web サイトのテーマや方向性によってはメリットが大きく働くことも、デメリットが大きく働くこともあるでしょう。
ドメイン名は一度決めてしまうと、基本的に変更はできません。正確には、変更するとこれまでのサイト運用によって検索エンジンから得てきた評価がゼロになってしまいます。日本語ドメインを取得する際は、慎重に判断するのがおすすめです。
もしドメインを変更したい場合は、こちらの記事で解説している方法をお試しください。
▶︎ドメイン変更とは? SEO 評価を引き継ぐ変更方法も解説