「 SaaS について基本知識を知りたい」
「 SaaS のメリットやデメリットには何があるのだろう」
「 SaaS を選ぶ時のポイントを抑えておきたい」
このようにお考えの方へ、本記事では SaaS について詳しく解説します。概要と人気が高まる理由、メリットやデメリット、選定時のポイントについても解説していきますので、参考にしてみてください。
目次
- SaaS とは
- SaaS への人気が高まる理由
- SaaS と他クラウドサービスとの違い
- SaaS が企業にもたらすメリット
- SaaS 選定時のポイント
- まとめ
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SaaS とは
まずは SaaS とは何かについて、以下を説明します。
それぞれ解説します。
概要
SaaS (Software as a Service) とは、「サース」もしくは「サーズ」とも呼ばれるクラウドサービスのことです。クラウドベンダーが提供しているアプリケーションをインターネット経由で利用することができます。
従来は新しいアプリケーションを導入するためには、オンプレミス型という自社に物理サーバーを導入して設置からアプリケーションのインストール・設定までを行う方法が主流でした。SaaS は自社サーバーにアプリケーションを導入する必要がないことから、その手軽さに人気が集まり、近年ではオンプレミスで提供していたソフトウェアを、SaaS に切り替えて提供する企業も増えています。
SaaS はインターネット接続ができればどこからでもアクセス可能です。リモートワークや在宅勤務など新しい働き方に柔軟に対応しており、利用者からも人気が高まっています。
SaaS は毎月定額で料金を支払う、サブスクリプションモデル(継続課金モデル)を採用しています。
SaaS で代表的なサービス
SaaS でよく利用される代表的なサービスとして、以下4点があります。
上記の中でも有名なサービスに、以下があります。
- Google Workspace
- Microsoft Office 365
- Salesforece
- kintone
- Dropbox
- Money Forward
SaaS という名前を初めて耳にした方でも、Office365 や Gmail など、日常的に利用しているサービスもあるのではないでしょうか。SaaS は一見難しそうなシステムに見えるかもしれませんが、私たちの日常のすぐ側に存在しています。
SaaS への人気が高まる理由
ここでは、SaaS への人気が高まる理由について説明します。
まずは導入ハードルが低いことです。契約すればすぐに利用開始できるため、稼働までの時間が少なく済むでしょう。また、初期コストを抑えてスモールスタートとして、操作感を確かめることもできます。
SaaS は デバイスや場所を問わないアクセスが可能なことにも好評があります。そのため、移動時間や隙間時間に手元の端末を使って SaaS にログインすれば、すぐに資料など確認でき、効率的な作業を行えます。
また、SaaS はクラウド上の領域を使うため、PC などのローカル環境にデータを保存する必要がありません。利用者は自分のPC端末の保存容量を気にせず利用できます。クラウド上の領域を拡張したい場合には、プランを変更するだけで利用できることも多く、運用の手軽さとしても人気が高いです。
SaaS と他クラウドサービスとの違い
SaaS と、以下2つのクラウドサービスとの違いを解説します。
IaaS との違い
SaaS と IaaS との違いについて説明します。
IaaS (Infrastructure as a Service) とは、インフラを提供するクラウドサービスのことです。Windows などの OS やネットワーク環境などの基盤環境が提供されます。そこに必要なアプリケーションやデータベースなどを自社で導入していきます。
SaaS は、インフラはもちろん、アプリケーションの稼働環境とアプリケーションそのものが含まれたクラウドサービスです。契約して簡単な初期設定をすれば、すぐにサービスを利用できます。
SaaSと IaaS は提供する範囲が違います。自社の目的と用途に合わせて、どちらが適切なサービスか判断しましょう。
PaaS との違い
SaaS と PaaS (Platform as a Service) の違いを説明します。
PaaS はプラットフォームを提供するクラウドサービスです。PaaS にはインフラ環境に合わせて、データベースやアプリケーションを実行するためのプラットフォーム環境が含まれています。その上に乗せるアプリケーションは利用目的に合わせて、自社で自由に選択することができます。
SaaS はインフラ・プラットフォーム・アプリケーション一式が含まれたクラウドサービスです。利用機能も決まっています。
PaaS はアプリケーションの開発などのために導入されることが多い、とされています。一方、SaaS はアプリケーションが整った環境を手軽に利用したい、という時に使われることが多いです。
SaaS が企業にもたらすメリット
SaaS が企業にもたらすメリットについて、以下4点を挙げます。
- 契約後すぐに稼働できる
- 予算計画を立てやすい
- システム管理者の負担減
- さまざまな働き方への対応
それぞれ解説します。
契約後すぐに稼働できる
1つ目のメリットは、契約後すぐに稼働できることです。SaaS は契約が完了し、ユーザー登録などの初期設定をすれば、すぐにサービスを利用開始できます。そのため、利用ユーザーを限定したスモールスタートで操作感を確認し、本稼働へとステップアップすることも可能です。
SaaS はオンプレミス型や IaaS、Paas と比べると、契約からサービス稼働までの期間が短めです。
予算計画を立てやすい
2つ目のメリットは、予算計画を立てやすいことです。SaaS はサブスクリプションモデル(継続課金モデル)のため、月々のランニングコストが一定で済みます。
物理サーバーに導入するオンプレミス型の場合、故障時などの部品交換で想定外のコストが発生することがあります。しかし SaaS であれば、毎月の一定の料金を支払えば、故障対応などのコストは必要ありません。もしも SaaS を導入している本体のサーバーが故障した場合は、サービス提供社側で対応するため、自社に負担がくることは基本的にありません。
SaaS は想定外のコストが発生することが少なく、情報システム部門にとっても年間の予算計画を立てやすいです。
システム管理者の負担減
3つ目のメリットは、システム管理者の負担減です。SaaS を導入すれば、自社の情報システム部門の運用保守の負担が少なく済む可能性があります。
オンプレミス型の場合、ハードウェアを購入して、インフラの設定・プラットフォームの導入・アプリケーションの導入など、稼働までに多くの作業が発生します。
また稼働後も、メンテナンス対応、OS のアップデート対応、利用者からの問い合わせ対応など実施しなければなりません。
SaaS を契約すれば、ユーザー登録や機能などの初期設定をするだけですぐにサービスを開始できます。また稼働後も、メンテナンス対応はサービス提供社が実施してくれるためほぼ不要といえます。利用者からの問い合わせも、まとめてサービス提供会社に依頼するため、直接対応する必要がありません。
SaaS に切り替えればメンテナンスも少ない範囲で済み、システム管理者の負担を今までよりも減らすことができるでしょう。
さまざまな働き方への対応
4つ目のメリットは、さまざまな働き方へ対応していることです。SaaS はインターネットからアクセスできるため場所や時間を問わない、という特徴があります。そのため、オフィスへ出勤する以外にも、リモートワーク・在宅勤務・ワーケーションにも適しているといえます。情報システム部門も、自宅にいながら運用管理を行えます。
SaaS でありがちなデメリット
SaaS 利用後に感じることの多いデメリットとして、以下3点を挙げます。
- カスタマイズ性の低さ
- 社員の意識改革が必要
- 障害時自社で対応できない
それぞれ解説します。
カスタマイズ性の低さ
1つ目のデメリットは、カスタマイズ性の低さです。SaaS は、決まった機能を利用することが前提のため、画面構成を変える・機能を追加するなどのカスタマイズは、基本的にできません。そのため、提供される機能に合わせて自社の業務やフローの見直しが必要な場合もあります。
社員の意識改革が必要
2つ目のデメリットは、社員の意識改革が必要なことです。SaaS はインターネット上に公開されているサービスのため、社内のネットワークに比べてセキュリティ面が弱いのは否めません。社員が ID・パスワード管理を疎かにしていると、悪意を持った攻撃者に盗まれて、ログインされる危険があります。そのような事態に備えるためには、SaaS 利用開始前に セキュリティガイドラインの策定・セキュリティポリシーを整えて、社員への教育を実施し、意識改革を図る必要があります。
障害時自社で対応できない
3つ目のデメリットは、障害時に自社で対応できないことです。SaaS はクラウドサービス提供会社がアプリケーションを開発しています。そのため、障害が発生した際は自社の情報システム部門が対応することができません。基本はサービス提供者からの復旧連絡を待つのみ、となります。
自社で対応するよりも復旧スピードが速い場合もありますが、自社のシステム管理者が柔軟に対応できない可能性がある、ということに注意しましょう。
SaaS 選定時のポイント
SaaS 選定時のポイントを以下5点を挙げます。
- 必要な機能が搭載されているか
- セキュリティ対策が万全か
- 導入後サポートを受けられるか
- 信頼できるサービス提供会社か
- 金銭的なコストは適切か
それぞれ解説します。
必要な機能が搭載されているか
1つ目のポイントは、必要な機能が搭載されているかどうかです。自社の目的を達成するための機能が、SaaS にしっかりと搭載されているかを確認していきます。
SaaS はあらかじめ機能が決まっていること、カスタマイズ性が低いことから、サービス利用開始後にカスタマイズしたい、と思ってもできないことがほとんどです。
そのため、SaaS を選定する際は自社が SaaS を導入する目的を確認すること、そのためにはどのような機能が必要かを洗い出して、サービスを比較することが大切です。
セキュリティ対策が万全か
2つ目のポイントは、セキュリティ対策が万全かどうかです。 SaaS はインターネット上に公開されているため、社内の閉ざされたネットワークのシステムと比べると安全性が低いといえます。
そのため、SaaS のサービス自体は安全か、どのようなセキュリティ対策がなされているかをしっかりとチェックする必要があります。例えば、SSL 通信が行われていることはもちろん、サービスログイン時に ID・パスワード以外のセキュリティコードを入力する「二段階認証」や、知識情報(パスワードなど)・所持情報(身分証明書)・生体情報(指紋)などを組み合わせた「多要素認証」などが実装されているかを確認しましょう。
導入後サポートを受けられるか
3つ目のポイントは、導入後サポートを受けられるかどうかです。SaaS 開始後は、まだ利用に慣れていないことから、初期設定や運用面での不明点が出てくるものです。そのため、「わからないことが出てきた時にすぐに連絡が取れるか」「自社に適した方法で問い合わせできるか」について、確認しましょう。
サポート時間・サポート体制・問い合わせ手段(メール・電話・チャット・オンライン会議)・回答までの平均時間など、実際の運用をイメージしながら詳しく確認することをおすすめします。
信頼できるサービス提供会社か
4つ目のポイントは、信頼できるサービス提供会社かどうかです。サービスそのものの信頼性はもちろん大切ですが、サービスを提供している会社が信頼できるかを確認することが大切です。確認方法として、業績に問題なさそうか・他の提供サービスが信頼できそうか・サービスの実績が高いか・どのくらいの期間安定して稼働しているか・利用社数は年々どれくらい増えているかなど、があります。信頼できる会社か必ず確認しましょう。
金銭的なコストは適切か
5つ目のポイントは、適切なコストかどうかです。そのサービスの金額が自社の予算に見合っているかどうかを確認することが大切です。
SaaS は定額制ですが、プランを変えたり、オプションを選択すると金額は高くなる傾向にあります。そのため、自社に必要な機能を全部揃えた上でのコストがどれくらいか確認しましょう。
また、SaaS は提供されている機能に合わせて自社の業務を見直す必要もあり、人的コストなどもかかる可能性があります。SaaS を利用する際は、利用料金だけでなく社内調整でかかる費用も含めて、トータルで適切なコストかどうか確認する必要があります。
まとめ
本記事では、SaaS について概要から人気の理由、メリット・デメリット・選定のポイントまで解説しました。
SaaS はスモールスタートで始めやすく人気があります。しかし機能が決まっているため、思っていたのと違っていて使いにくかった、自社の好みに合わせてカスタマイズして便利に使いたい、と後から気づくこともあります。
そのようなことを防ぐためにも、自社の目的を明確にし必要な機能を洗い出すこと、SaaS に切り替えた後の運用イメージをしっかりと持つことが大事です。
SaaS の導入を失敗しないためにも慎重に検討してみてください。